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緑の草子
シャゾウ
(2010/05/11)
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シャゾウ

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しゃ‐ぞう〔‐ザウ〕【写像】  (Yahoo辞書より)

1 対象物をあるがままに写して描き出すこと。
・ 「人生の精確なる―ということを」〈抱月・文芸上の自然主義〉
2 物体から出た光線が鏡やレンズなどによって反射または屈折されたのち、集合して再びつくられる像。
3 数学で、二つの集合A、Bがあって、Aの各要素aにBの一つの要素bを対応させる規則fをAからBへの写像といい、f:a→bと書く。
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今年の流行語大賞にはならないまでも、ノミネートされてよかろう言葉「シャゾウ」。

言葉の意味は別として、「シャゾウ」を発端とした話題を知っている方は多いと思います。
検索するとたくさん出てきますし、言葉の意味すら知らないよという方がいても、 それは普通であり、特段に恥ずかしいことではありません。

簡単に言うと、あるテレビ番組の“対談”で用いられた「シャゾウ」という言葉に対し、ゲストが「何ですか、シャゾウって」と質問したのが発端です。 いや発端というか、そこに行き着くまでにも幾多の伏線と、言葉では言い表せないしがらみがあった上でのことなので、詳しく知りたい方は自分でよく調べて、自分でよく判断してくださいとしか言えません。

「何ですか、シャゾウって」という質問は、無知を装った(あるいは自己の無知を利用した)質問形になっていますが、 実は強烈な反撃になっている(ように私としては思えた)のが面白かったです。 あの場面では「シャゾウ」の正確な意味は知らなくてもニュアンスは伝わるはずで、ついスルーしてしまいがち。 しかしタダモノではないゲストはそれを逃さず、一般的でない「シャゾウ」という言葉に対してツッコミを入れることで、相手側の「TPOの無知さ加減」を見事に引き出した形になっています。

まあ・・・この話題はここまでにします。

言葉を分類する方法はたくさんありますが、次のようにも分類できます。
   1. 広く一般に知られている言葉
   2. あまり一般に知られていない言葉

鉄道を例にとれば、
  「電車」は広く一般に知られている言葉であり、
  「気動車」はあまり一般に知られていない言葉になるかと思います。

あなたは非電化ローカル線の駅の待合室で、乗るべく列車が来るのを待っているとします。
そして、どう見ても鉄道に深い見識はなさそうな一般人もどこからかやってきて、あなたに「次の電車は何時ですか」と訊きました。

鉄道に見識ある者は一瞬ここで “電車”は来ないけどな(w と思うわけですが、ここでは電車とか気動車とか動力方式の違いはどうでもよくて、 線路を走る列車全般をこの人は「電車」と表現しているんだなと判断するのが常識であり、それがTPOをわきまえているということになります。

ついで言えば(いくら何でも、この項は蛇足でしょうけど)、次の“電車”が通過列車や貨物列車だった場合は、それらを無視して「その人が乗れる旅客列車」の時刻を案内するのが上記の場面では正解となります。

これらの場面で、「非電化ですから電車は来ません。来るのは気動車です」とか「次は高速貨物3052列車が何時何分通過です」などという受け答えは、 言葉としては間違っていなくても、TPOを間違っている(わきまえていない)と言わざるを得ません。 言葉は知っているけどTPOを知らない、つまり、これこそが「なんとかの一つ覚え」というやつです。

「言葉を知っている」というのは、単に辞書的な意味を知っていることの他に、その場面でその言葉を使うのが適切かどうかを判断する力が兼ね備わってこそと言えそうですね。

余談。

身近に好例があって「地下鉄千代田線の金町駅」。これ正しくないです。でも、一般人にはそう言わないと通じません。 「正しくないけど、間違っているわけでもない」。

正しくは「JR常磐線の金町駅」であって、ほぼ全列車が地下鉄千代田線と相互乗り入れをしているJR常磐緩行線の電車が発着している、というのが事実です。 鉄道の知識がある人に対しては、正しい表現「常磐線の金町駅」でよいと思いますが、 一般人に「常磐線の金町駅」と言っても通じません。せいぜい「え〜? 常磐線は金町に停まんないよ」と指摘されて終わりです。

一般人にとっての定義は、単に常磐線といえば「常磐線の快速電車」を指し、常磐緩行線は「千代田線と呼ぶ」ことを理解していないと、 正しい言葉を使っている側が「無知」呼ばわりされることになります。この場合の無知とは「TPOの無知」ですね。

JRは、国鉄時代よりは「常磐緩行線(常磐線各駅停車)」と「地下鉄千代田線」を区別するように努めている節はありますが、 綾瀬-北千住の二重戸籍区間など「ハッキリ区別してしまうと、かえって都合が悪く、説明しきれない」といった事情もあり、 世間一般の正しくない認識を敢えて訂正していないのが実状です。

この際、京浜東北線や埼京線がそうであるように、常磐緩行線には「JR千代田線」という通称名を与えてしまえ・・・というのは、 昔から言われている、一見ふざけているようで、もしかしたら一番いいかも知れない案。というか、もう実際がそれに近い状態ですけどね。



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