西村さんといえば、何をおいても列車トリックを用いた推理小説(トラベルミステリー、と言うのかな)。
私も小中学生の時分に図書館から何冊も借りて読んだのを思い出します。
もちろん“鉄”の視点を持ってすると、矛盾だらけでツッコミどころ満載ではあるのですが、
そうした部分を極力ごまかし隠しつつ、
作品として成立させる構成・文章は、色々な意味で (皮肉やディスリではなく) 勉強になりました。
肝心な部分 (≒物語上で都合の悪い部分) を敢えてボカしたりスルーしたかと思えば、ヒントになるものが偶然目の前に現れる、 といったご都合主義な一節を、それとなく、時にはわざとらしく組み込むことも文章力の一つであると。
矛盾のない「よく出来た」文章は、読み手に何も引っかからないので面白くないんですね。 フィクションなら、なおさら。
テレビだって (ドラマでもバラエティでも)
「そんなことあるわけない」 「嘘くせぇ」
とか文句垂れながら、
いや、文句垂れること自体を楽しみながら視ていたりするじゃないですか。
デゴイチよく走る! > 緑の草子
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