そう、富士山をバックに走る東海道ブルトレの写真を大量生産させた名撮影地、竹倉にある温泉旅館です。駅間で言えば函南-三島。
鉄分(本来の意味で)が多く含まれた茶色い鉱泉風呂が特徴だったそうですが、2018年3月にオーナーの方がお亡くなりになり、そのまま閉業されたとのこと。
私は錦昌館に泊まったことはありませんが、竹倉へは一度だけ行ったことがあります。1988年12月4日、当時の鉄道界を席巻したオリエント急行 Orient Express'88の撮影です。
オリエント急行は約2ヶ月半の間、運転予定がみっちりと組まれていて、東海道だけでも軽く10往復くらいは走ったと思いますが、 日曜日の日中に東海道を上ってくるスジは、数ある運転日の中で12月4日だけ。
高校生だった私は平日は撮影に行けませんから、富士山をバックに走るオリエント急行という空前絶後の絵を、その唯一日に賭けたのでした。
しかし熱い思いを抱えて竹倉へ乗り込むも、結果は涙を呑むことになります。 この辺の顛末は昔の写真 - オリエント急行 竹倉編をご覧ください。
三島から乗った帰りの電車が竹倉付近を通過するとき、
「何年後か何十年後になるか分からないけれど、旅館に泊まって温泉に入って、朝陽に輝く富士山とブルトレ群を撮ってやる」
そんな小さな決意みたいなものを心に刻んだ覚えがあります。
しかし、いつしかブルトレは消え、決意を果たせぬままに錦昌館も無くなってしまいました。
錦昌館webサイトより (遠くないうちに消えると思いますので閲覧はお早めに) 廃業のお知らせ 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 さて、この度、当館オーナーが逝去し、事業継続が困難となりました為やむを得ず 閉業することとなりました。 これまでに頂戴した皆様からのご愛顧ご支援に 深く感謝申し上げると共に数々のお励ましにお応えできなかったことを心よりお詫び申し上げます。 2018年3月 錦昌館 スタッフ一同 |
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