ならばと「福島県湯川村」と都道府県名を付してみたところで「福島のどこよ?」「そんな村あったっけ?」となるのがオチでしょう (湯川村の皆さん、ごめんなさい)。
“鉄”的に分かり易く言えば、湯川村は会津若松のすぐ上(北) に位置します。 駅で言えば磐越西線の笈川 (おいかわ) が村内唯一の鉄道駅になりますが、普通列車でさえ半数・・・いや半数以上が通過してしまうという、知名度として厳しい状況。 正直に言うと、私も近年まで湯川村を知りませんでした。
しかしC57180「ばんえつ物語」に乗車したり撮影に行ったりすれば、多少なりとも湯川村に足を踏み入れているはずです。 そして何より、区分としては郡山-会津若松間になりますが、当サイトSL写真館にしばしば登場する妙法原や丘から俯瞰撮影をしたときに、その写真の (文字通りの意味で) 背景を担ってくれるのが何を隠そう、湯川村なのです。
■1997-2-2(日) 広田→東長原 (妙法原) D51498 「SL磐梯会津路号」 (クリックで拡大)
■2015-4-14(火) 東長原→磐梯町 (丘) D51498 「SL福が満開ふくしま号」試運転 (クリックで拡大)
そんなわけで、湯川村に足を向けて寝られない私は、2015年にふるさと納税をしてみました。
ふるさと“納税”といっても実体は自治体への寄付で、寄付をした金額分(注1)が課税所得から控除され、自分が住んでいる生活自治体への住民税が少〜し安くなる (場合がある) というものです。
(注1)正確には、寄付した総額から2,000円を減じた額が控除されます。たとえば10万円を寄付すると、98,000円が控除額になります。ふるさと納税でよく2,000円云々いわれるのはこのことです |
寄付した金額以上に住民税が安くなることはありませんので (最大でも寄付額の40%程度)、お金の動きだけで見れば余分な出費になり、メリットはありません。
しかし自治体によっては、寄付してくれたお礼としてその市町村の特産品等いわゆる返礼品を贈ってくれる場合があり、これをお金に換算すると「余分な出費」と同等か、時にそれ以上のバックとなることがあります。
だからこそ、ふるさと納税が急速に流行ったわけですね。
湯川村の昨年までの返礼品は、30,000円の寄付(ふるさと納税)で、60kgの米を貰えるというものでした (米のほかに地酒も選択可)。
これだけで計算すると 米10kg = 5,000円 ということになりますが、実際は住民税が安くなる (場合がある) ので、 実質5,000円未満で 米10kg を得られることになります。
「じゃあ具体的にいくらなのか?」となると、これがなかなか複雑で難しく、個々人の所得状況や居住地の住民税率にも依るので一概には言えません。 また私も完全に理解できているわけではありませんが、基本的な考え方は次のようになります。
〜基本的な考え方〜 (注意) この例は、様々なことを物凄く端折っています。あくまで考え方を示しているだけであり、金額や率などは分かり易い数字を用いています ●課税所得 100万円の人が、住民税率10%の自治体に住んでいる場合 ・ふるさと納税しないとき⇒ 住民税10万円が出費になります (計算式 : 100万円 x 10%) ・ふるさと納税を 3万円したとき⇒ ふるさと納税3万円 + 住民税97,200円(注2)=12万7,200円が出費になります。 (注2)住民税の計算式 : (課税所得100万円 - (3万円 - 2,000円)) x 10% = 97,200 ふるさと納税で 3万円を寄付したことで、住民税が 2,800円安くなり、トータルで増える出費は 2万7,200円です。 |
一つ注意すべきは、寄付金控除には上限があり、納付すべき住民税額の20%までが、ふるさと納税を効率よく活用できる寄付金額の目安となります。 ですので、上の例で仮定している金額をそのまま適用するならば、目安の金額を“オーバー”していて本来は例として好ましくないですね・・・ (全額を控除できず、住民税が安くなるのは2,000円ほどだけ)。
また、住民税額の20%といっても、結局それは「住民税額がいくらになるのか」を常に計算して予測する必要があります。 もっとも、前年と生活様態が大きく変わらないようなら、住民税額も同程度と考えればよいので、さほど難しい話でもないでしょうが。
収入がない方や、あっても年50万円程度の方、もしくは住民税を徴収されない自治体 (存在しないと思いますが) に住んでいる方などは、そもそも控除する余地がありませんので、ふるさと納税をすることによる金銭的なメリットは皆無です。 もちろん、10万円をふるさと納税して、11万円相当の返礼品を貰えるなら話は別ですが、こうした「インフレ化する返礼品」に政府がストップをかけたというニュースは皆さんも最近、耳にされたことだろうと思います。
そんなわけで、湯川村も 3万円のふるさと納税に対して、返礼が 米50kg と、やや“減量”せざるを得なくなったと、お知らせが来ました。
ふるさと納税には色々な意見があり、寄付に見返りを求めるものではない、寄付の趣旨としておかしいのでは? といった見方もあります。
確かにその通りだと思いますが、たとえば私が住む区でも、それなりの必要があって区役所に電話をしたり、担当者を呼び付けても、まるで役に立たないボンクラ職員ばかり。
それでいて税金はガッツリ取り、大した仕事をせずとも高い給料を貰って胡座を掻いている状況を目の当たりにすれば、湯川村をはじめ少しでも税収を上げようと努力している自治体にお金を流してあげたくもなります。
湯川村への寄附(ふるさと納税)のご案内
平成29年5月25日 午前8時30分〜
数量限定にて、受付を開始します!
ちなみに・・・米50kgが一度に送られてくるわけではなく、10kgずつ2ヶ月ごとという形です (希望すれば、一度に50kgもできるようですが)
デゴイチよく走る! > 緑の草子
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