東京・葛飾区は、総武本線新小岩(信)と常磐線金町を南北に結ぶ新金線(しんきん-せん)。 一部、江戸川区を走っている箇所はあるものの、基本的には葛飾区内で完結している貨物線です。
現在の戸籍上は小岩-新小岩(信)-金町の路線ということになっているようで、 何故に新小岩(信)で折り返しが入ってまで、小岩が起点なのか、不思議極まりない建前になっています (小岩はただの棒線駅で、快速線にはホームも無し)。
せめて新小岩を起点とするなら判らないでもないのですが、強いて理由を推すならば 金町→新小岩(信) と来た列車は、そこから新小岩へは配線的に行くことができず、 折り返して小岩・千葉方面へ向かうことになるので、列車の運行実体に即せばこうなるのかも知れません。
ただ、新小岩(信)から越中島貨物線へ直進することはでき、それは物理的に新小岩駅ホームのすぐ横を通ってはいますが。
そんな新金線に定期的に湧いて出てくるのが、旅客化の話。
もう私が物心付いた頃から何十年もの間、出ては消え、消えては出てくる“年中行事”的な話題です。 葛飾区は南北の交通をバスに頼っているため、新金線を利用できれば便利かも知れませんが、 しかし無ければ無いで困らない、と意外に冷めているのが地元民の実状です。 「物心付いた頃」からある貨物線なんて所詮そんなもので、金町から新小岩へ行く用事があったとして「新金線に乗れれば便利なのになぁ」なんて、 微塵も考えたりしません。
以前なら金町→新小岩(信)→新小岩→総武快速線上りへとスルー運転できるよう、新小岩(信)の配線を改良することで、(線路容量などの問題は別として) 常磐線から東京駅や品川方面へ直通運転ルートの開拓という大きなメリットも期待できました。 しかし今となっては上野東京ラインの開業でこれが実現しており、新金線を旅客化することの意義の一つが失われてしまったと言えます。
旅客化の派生案としてLRT化というものもありました。
私としては、旅客化するにしても新金線はJRのネットワークの一員で存り続けてほしいと思いますが、 現実的には、いずれ新金線が廃止⇒跡地をLRTに転用、あたりが妥当なところかも知れません。
現在、新金線には指折り数えるほどの本数しか列車が走っておらず、せっかくのインフラが無駄になっていることは否めません。 仮に新金線が無くなっても、やや遠回りではありますが 新小岩(信)-蘇我-京葉線-武蔵野線 という経路で代替できます。 そもそも、越中島に出入りするチキ工臨くらいなら、DE10で秋葉原の鉄橋を越えてしまえばいいと思う・・・
こうした点を見ると答えは自ずと決まってくる感もありますが、結論としては「私が生きているうちに新金線が旅客化することはないだろう」に一票入れておきます。
■1989-12-15(金) 新小岩操-金町 1091列車 [新小岩操13:51着] EF65529+EF65-1000 |
デゴイチよく走る! > 緑の草子
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