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■1996-2-3(土) 東長原-磐梯町 9224列車 「SL磐梯会津路号」 D51498
■神がかりな一日
1996年2月3日(土)、営業運転初日。
まずは東長原-磐梯町間の通称「丘」への“道すがら”より。
道すがら。
道すがら ??
はい、丘を目指しましたが、雪が深すぎて辿り着けませんでした。
この日は朝から吹雪。
丘への入り口付近で、ご一緒させていただいた方の車の中で様子を見ていたのですが、天候は一向に回復しません。
それでもタイムリミットとなり、車を降りて歩き始めます。しかし第一歩を踏み出したところが、
「ヤバイ・・・雪が深すぎる」
雪がなければ、歩いて15分の距離。
雪が積もっていても、掻き分け掻き分け30分で行った実績があります。
ですので所要時間を30分と見積もっていたわけですが、この雪の多さ、完全に見立てが甘かった。
一歩を踏み出した時点で直感した私は、早々に「すみません、間に合わないと思います」と同行のお二方にお詫びする事態になりました。自分一人ならともかく、お二方を巻き込んでしまって申し訳ない。
それでも、「どうせこの天気だし、行けるところまで行ってみよう。足跡を付けておけば明日、楽だしね」ということで、果敢にGo!
しかし悲しいかな「直感」は正直で、道のり半分ほどの地点で時間切れとなりました。
それでもなんとか、線路は見えためシャッターを切ります。吹雪の中、ろくなもんじゃないと思いきや・・・
D51の歩みに合わせるかのように、みるみる雲が切れ、視界が開けていく不思議。まるでD51が魔法でも掛けながら走っているかのようでした。
上の2枚の写真は、カメラを構えている場所はもちろん同じ、撮影時刻も数分しか違いませんが、これほどの別世界。
■1996-2-3(土) 道半ば、撮影を終えて引き返します。さっきまでの吹雪が嘘のよう
■1996-2-3(土) くるみ沢 (関都-川桁-猪苗代-翁島) 9229列車 「SL磐梯会津路号」 D51498
復路は猪苗代スキー場の直下、くるみ沢にて。
天気は晴れたり曇ったり、相変わらず不安定でしたが、メイン・ショットとなる猪苗代の発車時点では、晴れ。
ところが直後に雲が立ちこめてきて、あたり一面みるみるうちに陰が支配してきました。
「列車が来ると陽が陰る、いつものパターンか」と諦めかけるも、どういうわけか線路にだけは、陽が当たり続けます。
まるでそこが、何者にも侵すことが出来ない聖域であるかのように。
D51はスポットライトに導かれるまま、雪原の軌道を駆け抜けていきました。
■1996-2-3(土) くるみ沢 (猪苗代-翁島) 9229列車 「SL磐梯会津路号」 D51498
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